「Jackery(ジャクリ)ってアメリカのメーカー?それとも中国?」
ネットで調べると「アメリカの会社」という記事もあれば「製造は中国」という記事もあって、どっちが正しいのか混乱しますよね。
実はどちらも間違いではなく、Jackeryはひとつの視点だけでは語れない企業構造を持っています。
この記事では「設立国」「資本(親会社)」「製造国」「サポート(日本法人)」という4つの視点に分けて、Jackeryがどこの国のメーカーなのかを整理します。
過去の事故情報やPSE法の盲点など、都合の悪い話も隠さずまとめていますので、購入前の判断材料として参考にしてみてください。
Jackeryは「どこの国」か? 4つの視点で整理する
Jackeryはアメリカで設立されたブランドですが、親会社は中国の上場企業で、製品は中国・深圳の工場で製造されています。日本には正規の日本法人もあります。「アメリカか中国か」の二択では正確に説明できない構造です。
「どこの国?」という質問に一言で答えようとすると、どうしても情報が欠けてしまいます。
Jackeryを正確に理解するには、以下の4つを分けて考える必要があります。
- ①設立国:どこで会社を設立したか
- ②資本(親会社):誰がお金を出しているか
- ③製造国:製品をどこで作っているか
- ④サポート:日本での窓口はどこか
それぞれ順番に見ていきましょう。
①設立国:アメリカ・カリフォルニア州で2012年に誕生
Jackery Inc.は、2012年にアメリカ・カリフォルニア州フリーモントで設立されたブランドで、創業者は孫中偉(SUN ZHONGWEI)氏。日本の家電メーカーの代理店で営業経験を積んだ中国系起業家です。
ちなみに「Jackery」という社名は、「Jacket(ジャケット)」と「Battery(バッテリー)」を組み合わせた造語なんです。「バッテリーをジャケットのように身につけられる」というコンセプトが由来とされていますが、「バッテリーをジャケットのように・・・」は少し無理がある気がしますね。
②資本:親会社はShenzhen Hello Tech(中国・深圳の上場企業)
ブランドの設立はアメリカですが、Jackeryの実質的な資本主体は中国企業です。
親会社は「Shenzhen Hello Tech Energy Co., Ltd.(深圳市华宝新能源股份有限公司)」(以下、Hello Tech)。2022年9月に深圳証券取引所のChiNext board(創業板)に上場しており、証券コードはSZ301327です。
Hello Techの設立は2011年で、Jackery Inc.(2012年設立)より1年早く、中国側の組織が先に整えられていたことが分かります。
上場企業であることのメリットは、財務情報の公開義務があること。公開企業として一定の透明性と説明責任が求められる組織である点は、信頼性の根拠のひとつになります。
| 会社名 | 設立年 | 所在地 | 役割 |
|---|---|---|---|
| Shenzhen Hello Tech Energy(親会社) | 2011年 | 中国・深圳 | 開発・製造・資本 |
| Jackery Inc. | 2012年 | アメリカ・カリフォルニア州 | ブランド・グローバル展開 |
| 株式会社Jackery Japan | 2019年 | 東京都中央区晴海 | 日本向け販売・サポート |
③製造:深圳の自社工場で一貫生産
Jackery製品の開発・製造は、中国・深圳にある自社工場で行われています。
「中国製=粗悪品」というイメージを持つ方もいるかもしれませんが、深圳はドローン世界最大手のDJIが本拠地を置くなど、世界的なハイテク製造の集積地として知られています。
自社工場による一貫生産という点も重要なポイントで、品質管理が一元化されているのは安心ですよね。
④サポート:株式会社Jackery Japan(日本法人)が国内窓口
2019年9月に設立された「株式会社Jackery Japan」(東京都中央区晴海)が、日本での販売・サポートを担う正規の窓口です。
日本語でのサポートチャネルは3つあります。
また、2019年10月にはJVCケンウッドとの業務提携も開始しており、「Jackery Tuned by JVC」シリーズの共同開発・販売が始まりました。この提携により家電量販店での取り扱いも実現しています。
ひとつ注意しておきたいのは、「日本法人がある=日本製」ではないという点。製品の製造は中国で行われており、Jackery Japanは販売・サポート・マーケティングを担う拠点です。
Jackeryの歴史:12年で世界トップに至った経緯

Jackeryは2012年のアメリカ創業から、2016年のアウトドア用ポータブル電源発売、2019年の日本参入を経て成長し、フロスト&サリバン認定の日本市場7年連続No.1ブランドに至っています。
主な歩みを年表でまとめておきます。
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 2011年 | 親会社Shenzhen Hello Tech Energy設立(中国・深圳) |
| 2012年 | Jackery Inc.をアメリカ・カリフォルニア州で設立 |
| 2016年 | ブランド初のアウトドア用ポータブル電源を発売。Red Dot Design Award 2016受賞 |
| 2018年 | ポータブルソーラーパネルを発売。Red Dot Design Award 2018受賞 |
| 2019年3月 | 日本市場に製品を発売(Amazon.co.jp経由) |
| 2019年9月 | 株式会社Jackery Japan設立 |
| 2019年10月 | JVCケンウッドと業務提携。「Jackery Tuned by JVC」シリーズ発売 |
| 2022年9月 | 親会社Hello Tech、深圳証券取引所に上場(SZ301327) |
| 2023年 | リン酸鉄電池(LFP)採用の「Plusシリーズ」を発売 |
| 2024年 | CTB技術を採用した「Newシリーズ」を順次発売 |
| 2025年2月 | 日本ポータブル電源協会(JPPSA)の正会員として参加 |
| 2026年4月 | フロスト&サリバンの調査に基づき、日本市場7年連続No.1と発表 |
2026年4月時点で、世界600万世帯以上に製品が届いているとされています(出典:Globe Newswire)。
なお、フロスト&サリバンによる認定はJackery自身が発表している情報であるため、参照する際はこの点を踏まえた上で判断してくださいね。
Jackeryの安全性:過去の事故と新モデルでの改善
旧Jackery 700(三元系電池採用)では2020年に茨城県で火災事故が起きたことは事実ですが、2023年以降の新モデルはリン酸鉄電池(LFP)に切り替わっており、熱安定性が大きく改善されています。
安全性については、過去の事故も含めて整理しておきましょう。
旧モデルの事故事例:Jackery 700と旧400Wh(事実として記録)
Jackeryで確認されている事故情報として、以下の2件が公開情報として存在します。
【Jackery 700(型番:PTB101)の火災事故(2020年11月・茨城県)】
- 2020年11月、茨城県でJackery 700に関連する火災が発生
- 1名が軽傷を負い、製品および周辺が焼損
- 原因:リチウムイオン電池セルの異常発熱
- 対応:正式なリコールは実施されず、当該モデルは販売終了
- 消費者庁の事故情報データバンクに登録済み(事故情報ID:0000390680)
【旧400Whモデルの発火報告】
- 旧型のACアダプターを誤ったポートに接続したことによる過充電が原因とされる発火報告あり
ポータブル電源メーカー全体で見ると、競合のEcoFlowでも「EFDELTA」シリーズのリコールが実施されており、2025年1月に対象が販売期間全期(2019年11月〜2023年4月)のすべての製品へと拡大され、対象台数は2万9,000台となっています(出典:PC Watch)。ポータブル電源の安全課題はJackery固有の問題ではなく、業界全体が取り組んでいる課題です。
なぜ事故は起きたのか:三元系電池の特性と熱暴走リスク
旧モデルで使用されていたのは「三元系リチウムイオン電池(NMC)」と呼ばれる種類の電池です。
三元系の特徴は「エネルギー密度が高く、軽量に作れる」ということにあり、スマートフォンや電気自動車にも広く使われています。
一方でデメリットもあります。
三元系電池のデメリット
- 熱分解温度が約200〜220℃と低く、熱安定性が比較的低い
- 過充電・外部からの強い衝撃などが引き金となり、内部で「熱暴走」が起きる可能性がある
「熱暴走」とは、電池内部で発生した熱が自己増殖的に広がっていく現象。
一度始まると止めるのが難しく、最悪の場合は発火に至ります。
この熱暴走リスクを低減するために搭載されているのがBMS(バッテリーマネジメントシステム)です。過充電・過放電・過熱・短絡などを常時監視して自動で制御します。ただし、製造上の不具合などがあるとBMSをもってしても完全に防げないケースがある点は理解しておく必要があります。
新モデルの改善:LFP電池採用と安全性向上のポイント
2023年以降のJackeryは大きく変わっています。
2023年発売の「Plusシリーズ」以降、2024年の「Newシリーズ」でも採用されているのがLFP(リン酸鉄リチウムイオン電池)です。
| 特性 | 三元系(旧モデル) | LFP(Plusシリーズ以降) |
|---|---|---|
| 熱分解温度 | 約200〜220℃ | 約600〜700℃ |
| 充放電サイクル | 約500〜1,000回 | 約2,000〜4,000回※ |
| 安全性 | 熱安定性がやや低い | 熱安定性が高い |
| エネルギー密度 | 高い(軽量) | やや低い(重くなりやすい) |
※Jackery製品のLFPサイクル数は容量70%を基準とした4,000回表記。他社の80%基準(一般的に約3,000回)とは測定条件が異なるため、単純比較には注意が必要です。
熱分解温度が三元系の約3倍以上になることで、熱暴走が起きにくくなっています。充放電サイクルも大幅に伸びており、長く使い続けられるのも新モデルのメリットです。
安全性に関する認証・認定としては、以下のものが確認されています。
- UL94V-0:難燃性規格。燃えにくい素材を使用していることを示す
- 防災製品等推奨品認証:一般社団法人防災安全協会が認定する制度。複数のJackery製品が取得済み
- BMS搭載:全モデル共通で搭載
購入の判断材料として、三元系とLFPの区別は覚えておきましょう。
旧モデル(Basicシリーズ)= 三元系
新モデル(PlusシリーズまたはNewシリーズ)= LFP
PSE法の盲点:「PSEマーク=国の安全認証」は誤解
ここで、多くの方が誤解しているポイントを一つ整理しておきましょう。
「JackeryはPSEマーク取得済みだから安全」という説明を見かけることがありますが、これは少し注意が必要です。
ポータブル電源(AC出力型の蓄電池)は、現時点では電気用品安全法(PSE法)の適用対象外です。
PSE法はAC100Vを「入力」とする電気製品を主な対象としています。ポータブル電源はAC100Vを「出力」する機器であるため、PSE法の規制範囲に含まれていません(経産省の見解に基づく)。これはJackeryに限らず、EcoFlow・BLUETTI・Ankerなど全メーカーに共通することです。
つまり、「PSEマーク表示済み」は法律上の義務ではなく、メーカーが自主的に行う安全確認の表示にとどまります。
なお、経産省は2024年2月に「ポータブル電源の安全性要求事項(中間とりまとめ)」を策定しており、法整備に向けた検討が進んでいます。
では、何を根拠に安全性を判断すればよいのか。現時点では以下の4点が実質的な確認ポイントになります。
4番目のJPPSAは2025年2月に設立された業界団体で、Jackery Japanも正会員として参加しています。安全基準の整備や消費者への啓発活動を進めており、業界全体として法的な空白を補う動きが始まっています。
日本でJackeryを使う安心材料:サポート・保証・実績

Jackery Japanは東京に正規の日本法人を持ち、日本語対応サポート(メール・電話・LINE)、最大5年の製品保証、廃品回収サービスを提供しています。日本市場での7年連続販売No.1という実績もフロスト&サリバンによって確認されています。
Jackery Japanのサポート体制と保証制度
サポートチャネル(すべて日本語対応)
- メール:公式サイトのフォームから問い合わせ
- 電話:受付時間は公式サイトを確認
- LINE:公式LINEアカウントから問い合わせ
保証制度
| 保証の種類 | 期間 |
|---|---|
| 通常保証 | 2〜3年(製品により異なる) |
| 製品登録後の延長保証 | 最大5年 |
保証を受けるためには公式サイトでの製品登録が必要です。
購入後はなるべく早めに登録しておきましょう。
以下は保証対象外なので注意!
・並行輸入品
・中古品・フリマアプリ(メルカリ・ラクマ等)での購入品
・非正規ルートでの購入品
購入の際は「販売元がJackery Japan」であることを確認しましょう。
廃品回収サービス(2023年〜)
リチウムイオン電池は自治体の一般ゴミ・粗大ゴミに出すことができません。Jackeryでは2023年から廃品回収サービスを開始しており、使用済みの製品を回収してもらえます。処分時の手間が省けて助かりますね。
Jackeryの信頼性を俯瞰する:競合・業界との比較視点
JackeryといえばEcoFlow・BLUETTI・Ankerと並ぶポータブル電源の主要メーカーで、軽量化・アウトドア特化・長い実績が強みです。一方で、同スペックの競合製品と比べると価格がやや高めになる傾向があります。
4大メーカーとJackeryの位置づけ
ポータブル電源市場の主要4メーカーの特徴を整理しておきます。
| メーカー | 強み | 向いているシーン |
|---|---|---|
| Jackery | 軽量・アウトドア特化・長い実績(12年超) | キャンプ・車中泊・防災の最初の1台 |
| EcoFlow | 急速充電・スマートホーム連携・拡張性 | 家庭用バックアップ・ヘビーユーザー |
| BLUETTI | 大容量モデルのコスパ | 長期停電対策・家庭用大容量蓄電 |
| Anker | 充電技術の信頼・コンパクト製品 | モバイルバッテリーからの乗り換え初心者 |
価格帯については、同スペック帯では一般的にBLUETTIよりやや高めとされています。ただし、軽量設計・アウトドアでの使いやすさ・日本法人によるサポート体制という付加価値との兼ね合いで判断することになります。
競合他社の事故事例については前述のとおりEcoFlowでもリコールが発生しており、「どのメーカーなら絶対安全」という保証はありません。メーカー選びとあわせて、新しめのモデルを選ぶ・LFP電池搭載かどうかを確認するという製品選びの判断も重要です。

よくある質問(FAQ)
Q1. Jackeryはどこの国のメーカーですか?
A. Jackery Inc.はアメリカ・カリフォルニア州で2012年に設立されたブランドです。ただし親会社は中国・深圳の上場企業(Shenzhen Hello Tech Energy)で、製品は深圳の自社工場で製造されています。日本には正規の日本法人(株式会社Jackery Japan)があります。
Q2. Jackeryの製品は中国製ですか?
A. はい。製品は中国・深圳の自社工場で製造されています。ただし、親会社は深圳証券取引所の上場企業であり、品質管理が一元化された自社工場での生産です。
Q3. Jackeryは日本でサポートを受けられますか?
A. はい。2019年設立の「株式会社Jackery Japan」が日本語でのサポート(メール・電話・LINE)を提供しています。保証期間は通常2〜3年、製品登録で最大5年です。
Q4. PSEマークがあれば安全ですか?
A. 注意が必要です。ポータブル電源は現時点でPSE法(電気用品安全法)の適用対象外のため、PSEマーク表示は法律上の義務ではなく自主的な確認の表示にとどまります。安全性の判断は「LFP電池か」「BMS搭載か」「防災推奨品認証の有無」など実質的な指標で確認するのが適切です。
Q5. 旧モデルと新モデルで安全性は違いますか?
A. 大きく違います。旧モデル(Basicシリーズなど)は三元系電池を使用しており、熱分解温度が約200〜220℃と熱安定性が相対的に低い傾向がありました。2023年以降のPlusシリーズ・Newシリーズはリン酸鉄電池(LFP)を採用しており、熱分解温度が約600〜700℃と大幅に改善されています。
まとめ
この記事の内容を簡単にまとめておきます。

「アメリカのメーカーか、中国のメーカーか」という問いに対しては、正直どちらか一方を選ぶことはできません。アメリカで設立したブランドが、中国親会社の資本と深圳の製造力を基盤にグローバル展開している——それがJackeryの実態です。
安全性については、旧モデルでの事故事例はありますが、新モデル(LFP搭載)では改善が進んでいます。PSE法についても業界全体の課題として認識しておくことが大切です。
また日本でのサポート体制・7年連続No.1の実績もあるので、初めてポータブル電源を購入検討されている方は、選択肢のひとつとしてJackeryをおすすめします。
私と一緒に『新しい暮らしのかたち』を始めましょう!


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